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hiniesta2009

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濾過器

濾過器

詩集『濾過器』柴田千秋
  ラ・メール選書6 ご注文はここをClic!

1989年5月1日
思潮社刊
2060円(本体2000円)

第五回ラ・メール新人賞受賞!
冒険心に満ちた、未知数の成長株を推す。(吉原幸子)
出口のない愛が、彼女を紛れもなく詩人に練りあげている。
恋愛詩のすぐれた書き手の誕生を喜びたい。(新川和江)   
                              ―帯文より―

恋愛詩を書いていた時期。ああ恥ずかしい。


「地下茎」

日が傾いてゆくように
静かに傾いてゆきたい
ゆっくりと
地に落ちて
倒れたところで
そのままなにも望まずに
ただ 眠っていたい

あの日から
降りてはいけない駅を
いくどとなく通過しながら
私の心は
あなたを家まで追いかけていった

すべてを奪えないのなら
すべて欲しくない

あなたと別れて来たあとで
何かを踏みつけてしまったようで 立ち止まる
悲鳴を聞いてしまったようで かがみ込む
地面の下では私の手が
あなたを捉えようとして
するすると伸び続けている
幾重にも 幾重にも
枝分かれを繰り返し

あなたを拒んだままで
このまま傾いてゆきたい

日が落ちた後に
ようやく倒れ込んだ地面の下から
細い叫び声が聞こえてくる

地下に張り巡らされた私の手が
あきらめきれずに
地面を破る


川岸まで

川岸まで

詩集『川岸まで』柴田千秋 ご注文はここをClic!

1987年4月30日発行
紫陽社刊
装幀 著者+板垣光弘 写真 大久保謡子
1200円

出版社から出した初めての詩集です。
柴田千晶の原点です。


「奇形」

小鳥を殺したのは私です。

愛なんかないのに
卵ばかり産みたがる
小鳥を殺したのは私です
孵るはずないのに
卵を暖める
小鳥は殺すより
しかたなかったのです

小鳥を殺したのは
私です。
白い卵が
鳥かごの中いっぱいに
殖えてゆきそうで
恐かったのです。

卵の中から
何かが足りない
鳥ばかりが産まれて
足りないものを
捜し歩き出しそうで
恐かったのです。

小鳥を殺したのは
私です
どんどん殺さなければ
あなたに追い着かれて
しまいます
果てしなく失い続けなければ

私の卵が孵ります。

物語

物語

詩集『物語』柴田千秋

1982年2月26日発行
私家版
非売品
装幀 柴田千秋 写真 大久保謡子

私の手製本第二詩集です。
蒲田でOLをしていた頃、半ドンの土曜日、日本工学院の印刷工房に通い制作しました。
短詩が25篇収録されています。
19歳から21歳までの詩篇です。

「物語」

不眠の淵で
雪は降る

赤錆びた
機械の霊山を
埋めるために

横たわって物語が始まる

輪郭

輪郭

詩集『輪郭』柴田千秋

1981年2月14日発行
発行所 日本工学院専門学校印刷実習室
非売品
装幀 柴田千秋 写真 大久保謡子

私の卒業制作です。
活版印刷工房で活字を拾い、組版し、印刷し、製本まですべて自力です。
18歳から19歳までの詩が収録されています。ああ恥ずかしい。

「錯乱」

詩の中で 人殺しをしました 自殺もしてしまいました
幾度となく 別れをくり返してみせました たった一人と
たった 二人 と

詩の中で ガラスを割りました 血がしたたる 手首に 
キスを しました ガラスの 破片は 手首を 切り落と
したり しなかった し 手の筋を 切ったりすることも
ありませんでした
だから私は 安心して ガラスを割りました
本当に 高三の あれは 夏 あれは 秋 あれは 冬

私は確かに割りました 確かに 血を たくさん 流しました
確かに 赤い 色を していました 確かに 鮮烈 でした

だから 革命は 成立 したのです
あの夏に 秋に 冬 に



erection創刊号

erection創刊号

創刊号 2001.10 目次

Ⅰ作品
  はてな              岩佐なを(挿画 岩佐なを)
  合図               北大路翼
  (三日月             渡辺玄英
  熱の島 ―連作「交歓」4   柴田千晶&藤原龍一郎

Ⅱエッセイ
  眠りの国のありさ姫      北大路翼
  異種格闘技           柴田千晶
  僕たちは迷子なんだろうか  渡辺玄英

ヴァーチャルハウス・ゲーム

定価500円 残部僅少
         
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