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濾過器

濾過器

詩集『濾過器』柴田千秋
  ラ・メール選書6 ご注文はここをClic!

1989年5月1日
思潮社刊
2060円(本体2000円)

第五回ラ・メール新人賞受賞!
冒険心に満ちた、未知数の成長株を推す。(吉原幸子)
出口のない愛が、彼女を紛れもなく詩人に練りあげている。
恋愛詩のすぐれた書き手の誕生を喜びたい。(新川和江)   
                              ―帯文より―

恋愛詩を書いていた時期。ああ恥ずかしい。


「地下茎」

日が傾いてゆくように
静かに傾いてゆきたい
ゆっくりと
地に落ちて
倒れたところで
そのままなにも望まずに
ただ 眠っていたい

あの日から
降りてはいけない駅を
いくどとなく通過しながら
私の心は
あなたを家まで追いかけていった

すべてを奪えないのなら
すべて欲しくない

あなたと別れて来たあとで
何かを踏みつけてしまったようで 立ち止まる
悲鳴を聞いてしまったようで かがみ込む
地面の下では私の手が
あなたを捉えようとして
するすると伸び続けている
幾重にも 幾重にも
枝分かれを繰り返し

あなたを拒んだままで
このまま傾いてゆきたい

日が落ちた後に
ようやく倒れ込んだ地面の下から
細い叫び声が聞こえてくる

地下に張り巡らされた私の手が
あきらめきれずに
地面を破る


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